Thursday, February 7, 2013

別れが多いマラウィ

先々月、先月。マラウィは人がしょっちゅう死ぬなぁ。って思ってしまう出来事が続きました。

12月、活動先のグループの女性が、なくなったと、リーダーから連絡がありました。
上の子供が18歳くらいならしいので、彼女は恐らく30代後半だったと思う。

私は行けなかったけど、12月26日にお葬式がありました。
亡くなった理由はエイズ。旦那さんが奥さんに薬を飲むなって言ってたらしいです。
その理由はわからないけど、コミュニティに根付く偏見みたいです。
村に住む日の中では、エイズにかかっていることを未だに隠したがる人が多いです。
だから、奥さんが病院に行って、エイズだってのが街の人に知られたら大問題なのかもしれない。

私が彼女を最後に見たのは・・・10月くらいだったかしら。
家の門を開けたら、彼女がちょうど歩いていた。その時は、見た目は何も変わりがなく、「今度活動先で会おうね~!」って極めて普段通りの挨拶だった。
それが最期の別れになるとは・・・。

そして、二つ目。
先月マラウィに戻った時に、Peace CorpのAくんとJくんに日本のお土産を渡しました。
(Aくんには、おカキをチーズで挟んだやつ。Jくんには大根の種)
その時に、いつもお世話になっていたタクシー運転手Cさん(多分年齢は私と同じくらい)がなくなったと聞きました。
正直、「また知り合いが亡くなったの~?!」あまりの間隔の短さに驚きました。

彼もやっぱりエイズ。薬を飲むのが面倒くさくて、ほっといたそうです。
そしたら、免疫力が下がり、ちょっとした風邪から体がどんどん弱り、12月28日に病院に搬送され、1月2日に亡くなったそうです。
私が日本で生魚を食べていた頃、彼の短い人生は終幕を迎えたのです。なんか、不思議だよ。

・・・訃報の知らせを聞いて、咄嗟に頭に心当たりが思い浮かびました。
12月15日、友人が家にくるってことで、彼の家の近くにタクシーを呼んで、うちまで送ってもらおうって話になりました。
そこで、例の運転手Cさんに電話をしました。電話口では、「今から行くぜー」って、普段と変わらないチャラいノリだったのですが、一時間経っても、タクシーは来ませんでした。
不安に思った私は10回くらい電話したのですが、電話には出ず。でも、その後一回だけ意味深なワン切りが私の携帯にありました。

その日は結局別のタクシー運転手に友人のピックアップをお願いしました。
貴重な友人と過ごせるはずの一時間が非生産的に終わってしまったのはお前のせいだ!と私は怒り、次にあったらクレームの一つでもつけてやろう!と思っていたのです。


でも、クレームなんかつけられないよね。
亡くなってしまったんだから。

一方、時系列がさかのぼります。
12月12日にAくんが例のCさんのタクシーを使おうと思って電話しようとしていたところ、私の活動先のリーダーに、Cさんが具合が悪い旨を聞き、別のタクシーを使ったとのことです。

そう考えると、私が彼に電話したときは、時すでに遅しで、とても働ける状態ではなかったんだと思います。

もともとガリガリに痩せてる人でした。あんまり痩せてるから、きっと胃下垂なんだろうと思っていたけど、今思えば、エイズの薬飲んでないから痩せてたんだろうな。



ところで、マラウィでエイズになった人の薬(体の免疫力低下を防ぐ薬、ARVといいます)、タダで病院やヘルスセンターでもらえます。どっこい、飲んでいない人が多い。
毎日決まった時間に薬を飲むのが面倒くさい、病院が遠い、近所の人にエイズだと悟られたくない、とか。それぞれの事情で。

日本人の感覚からしてみれば、エイズは薬さえ規則正しく飲んでいれば死なない病気。
それなのに、マラウィでは私たちから見ればごく簡単なことができず、人がバタバタ亡くなる。
「薬を国民のアクセス出来る場所に置いて、決まった時間に飲むように啓発活動をする」っていうシンプルなことができないマラウィ。カオスですね。


本当は、亡くなった人のことを悲しむだけでいいんだろうけど、正直・・・
病院他、医療系の職種で働く隊員たち、本当に大変だと思います。

ただ悲しいっていうだけじゃ割り切れません。どこかにドライな自分もいる。


きっと、残りの一年間で、また数人私の知ってる人が亡くなるんだろうな。
先日亡くなった二人の冥福をお祈りします。

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