Saturday, March 3, 2012

マラウィでは大体国民のうちの13%くらいがエイズ陽性者です。ここまで広がった要因の一つとして、内陸国、という立地があります。去年3月、協力隊に受かった直後、朝日新聞でカラシニコフの連載をされていた松本仁一さんに個人的にお時間を頂き、お話をして頂く機会がありました。その際に伺った話です。

内陸にあり、海を持っていないマラウィでは、輸入品の多くが他の国の港から入ってきて、近隣のいろんな国を経由して物が届く。タンザニアやモザンビーク、南アフリカなど。
陸路での輸送は、鉄道ではなくトラックになります。マラウィ近辺のいろんな国でお仕事をする運転手たちが、いろんな場所で売春婦を買っていたら、エイズが広まった、という話です。
オフィシャルな数字が10%強なので、実際のところはもっと多いのだと思います。長距離バスに乗ったときには毎回、乗客の一体何名が陽性者なのだろうか、と思わず計算してしまいます。とはいえ、バスでは陽性者の人たちとおしゃべりくらいしか接触することがないので、結構自分からは遠い話だと感じていました。

どっこい、今日、久しぶりにエイズを身近に感じました。毎日18時から来てくれる警備員のSteveくん。彼は、家の回りの草を買ってくれたり、荷物を自ら進んで持ってくれたり、親切にやってくれています。私の現地語がもうちょっと上手くなったら、色々おしゃべりしてみたいと最近は思う位です。
そんな彼が、庭の手入れをしようとしたら、先ほど手を切ってしまいました。ほいで、私に傷の手当をして欲しいようなことを言ってきました。手を見てみると、1センチくらいのちょっと深めの切り傷があります。お外の水道で手を洗ったあとのようですが、痛そうです。急いでオキシドールとバンドエイドを取り出し、手当てをしました。オキシドールをつけて、ティッシュで拭い、バンドエイドを貼るという簡単なものでしたが。
正直なところ、傷をぬぐったティッシュを触るとき、ちょっと怖かったです。彼がエイズ陽性者だって可能性は十分リアルだから。もしティッシュを触った私の指にちょっとした傷があったら、マジで怖いな、と。ティッシュをこちらの手元に戻すときに、引いている自分がいました。

なんか、複雑な気持ちです。エイズはやっぱ怖い病気だ。でも、きちんと気を付けてれば感染はしないのもわかる。6日間のエイズ研修を受けた私は、基礎的な知識はわかっています。
でもさ、知識はやっぱりあくまで机上のものなんだよね。実際血を見たら、表現できないようなバリアが自分に張られていることに気づく。自己防衛の為にも必要な感覚なのかもしれないけど、今後私が村落開発普及員として、エイズとどう関わっていくのか、ちょっと考えさせられた。私が持っているエイズに対しての距離感がどう影響してくるのだろうか。
カメルーンにいたときは、挨拶とインタビューくらいで終わったけれど、今回は、そうはいかない。2年間は長いぞー。
自分では理解出来ないことがたくさんあるだろうと思う。だからこそ、マラウィの皆さんに失礼のないように活動しなきゃな、と思います。

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