Friday, June 22, 2012

刑務所での不思議なセッション

今日は、家主のおばちゃんと刑務所を訪問しました。日本ではちょっと体験できない光景を目にしました。最近色々人間関係がゴタゴタしたのと、自分の居場所探しに一生懸命で、余裕がなく、ブログを書けていなかったけど、こりゃ記録に残さなきゃと思い、ブログの投稿ベージを開いてみた。

活動先に行こうと朝準備しつつ、おばちゃんにおはようの挨拶をした際、「今日これから刑務所に行ってくるから」と突然言い出した。ちょっと面白そうだから食いついてみちゃったよ~!

どうやら教会のメンバーと一緒に女性の囚人を慰問に行くそうな。ランチ作って、赤ちゃんを抱える囚人のため、子供服を持って訪問するとのこと。
「Seikoも来る?」と案外軽い感じでお誘いがくるので、今日の用事を明日に回して私も行っちゃった~!

午前中は、近所のマダム達が我が家に来て、お庭で囚人たちに寄付するお昼ご飯を作りました。
メニューは以下の通り、ふっつ~のマラウィ人の食卓に上がる定番たち。
主食のSima(とうもろこしの粉を練ったもの)、牛肉の炒め物、鳥肉の炒め物、野菜の炒め物
、以上!
大量の冷凍肉を解凍のため鍋にぶちまけている家主のおばちゃん、かっこよかったわ~!!!
基本的にマラウィアンは、熱い鍋を素手で触って調理するので、私がお手伝いできることは殆どありません(^^ゞだから、洗ったあとの盛りつけのタッパーを乾拭きすることで貢献しました(笑)


刑務所は、我が家とは中心街を隔てて反対側なので、結構距離があります。谷を下って、住宅の隙間道をくねくね歩き、下った分の谷を登って、40分後に着きました。途中、住宅街にはたくさん犬がゴロゴロしてます。でも、おばちゃん4人と子供30人に囲まれ、犬が近寄ってくることがなく、無事到着(笑)
いやはや、途中で小学校を通ったら、白人の物珍しさに子供たちがずーっとついてくるのよ~!
それを家主のおばちゃんが「あっち行きなさい!おうちに帰りなさいってば!」と追い払ってるのが超面白かった(#^.^#)

刑務所に着き、ほかのおばちゃん3名も合流☆入口でしばらく待たされていると、白いシャツとハーフパンツをはいた男性約10名が歩いてきた。どうやら囚人らしい。すっごい偏見だけど、あんま賢そうな顔をしてる人、いなかったな~。囚人用の畑があるから野菜を育てたり、刑務所のお掃除などをして過ごすらしい。
男性は530名だけど、女性は9名。私たちは9名のうち8名に会うことができた。
待たされたあとは受付で携帯電話の電源を切り、受付の女性に預けた。職員は、色は深緑だけど、日本の警察官みたいな形の制服を着ていた。片手には警棒を持つ。これまたやっぱり偏見だけど、囚人より職員の方が頭が良い顏に見える。

刑務所の床は、白いタイル張りでとっても綺麗だった。20メートル先で白服の男性の囚人が水ぶきをしてるのが見える。

女性の囚人が待つ部屋に通される。マットレスの上に足を伸ばして8人の女性が座っていた。
うち6人は、チテンジ(マラウィの伝統的な布)を下半身に巻き、上半身は普通の服。
ほか2人は、白地に群青色のストライプが入ったシャツのパジャマみたいな囚人服を着ていた。
(判決が決出た人は囚人服を着るらしい)

皆、目に精気がない。文字通り、腐った魚の目。生きる気力がなく、だるそうに下をうつむいている。刑務所では住環境が劣悪で、体調を崩して亡くなる囚人もいるくらいと聞いているけど、そのせいかしら。。。


お祈りから始まり、私含めた来訪者のうちの一人が、聖書の一説を読み、お説教を始めた。大きな体と大きな身振りでものすごく熱く語る。そのうち、8人のうち3人がしくしく泣き始めた。
全て現地語で行われるこのセッション。私は内容がさっぱりわからなかったのが残念。でも、なんだかエキセントリックなことが始まったのはわかった。

更に盛り上がってくると、8人が立ち膝で両手を上げ、目をつぶり、何かお祈りの言葉を早口に唱え始めた。そして、来訪者のおばちゃん3人が周りに立って、何かをつぶやきながら、お清めの塩を撒くような所作をしてる。説教をしていたおばちゃんが、ひとりひとりに近づき、何かお祈りの言葉をかける。そして、胸の当たりを軽く押すと、泣きながら囚人たちは後ろにパタンと倒れた~~!!!!倒れたあとも、手を空に仰いで泣きながら何かをつぶやいてる人もいる!!!


なんじゃこりゃ~~~!!!ほんと、現地語がわからなくて、何なのか皆目わからないけど、もしかしたら邪念を取り払うとか、悪魔祓いとか、そういった類のことなのかしら???超エキセントリックだったよ~~~(ノ∀`)


お祓い(?)が終わったあとは、キリスト教の歌を歌って、自己紹介を皆でして(囚人の犯した罪の説明含む)、ご飯を渡して、帰りました。


帰り道の途中で家主のおばちゃんが囚人それぞれの罪状を教えてくれたので、一部抜粋。

*Aさん*
孫と娘と一緒に川の近くにあるトウモロコシ畑に収穫に出かけた。
気づいたら孫が川で溺れ死んでいた。
あんたが殺したんだろ?!と責められ、捕まったのち、刑務所に入れられる。
現在妊娠6か月。きっと出産は獄中で行われるんだろう。大丈夫かな・・・

*Bさん*
妊娠中トイレに行ったら、トイレのボットンの穴の中に赤ちゃんを落としてしまう(運悪く生まれてしまったのね)。それが原因で赤ちゃんは死亡。怒り狂った家族が、お前が殺したんだ!と責めたて、今に至る。
そんなにスルスル子供って生まれるのかしら。それとも、滅茶苦茶踏ん張った結果だったのか。
てか、こんな仕方がない事態で刑務所に入れられるだなんて・・・かわいそう。女性の立場、やっぱりマラウィでは弱いのかな。
Women's Empowerment、大事ね!

*Cさん*
旦那との最初の子供が亡くなった(流産なのか、出産後の死亡なのかは不明)。後に旦那は第二婦人と結婚。嫉妬に燃え滾ったCさんは、第二婦人の家に火を点けた。そして、今に至る。

私だってマラウィアンの同じ立場だったら、何かしら嫌がらせしてたかもしれない。
呪術師にブラックマジックかけてもらったりとか・・・☆

*Dさん*
旦那との諍いの際、刃物で旦那の頭を切りつけ、出血多量により死亡させる。

日本では接触することがないような凶暴事件の加害者と同じ個室にいたとは・・・ちょっとブルブルしちゃったのが本音。



家主のママは、「神様は、'罪'も私たちと同じように作った。だから、罪を犯した人を放り出してはおけないのよ。一緒に現実に対峙しないとね。」と言います。

悪魔祓いのようなお説教タイムは正直びっくりしたけど、その根底にある精神は悪くない。最近教会に行ってなかったけど、今週末は行くことにしました。

そして、最近バイクに乗れないのと、犬嫌いが原因でめっきり活動場所が狭まっていたけど、今回の同伴のように教会のコミュニティ内でお手伝いできることもあるなって気づいた。
まずは自分が住んでいる町内から始めればってアイデア、余裕のなさゆえ全然出てこなかった。
はぁ~、今日の訪問がとっても良いきっかけになりました。

家主のおばちゃんと家主の甥っ子に、教会で何かできることがあればお手伝いしますという旨を早速話しました。私はキリスト教徒ではないし、物事が日本の何十倍もゆっくり進むマラウィだから、どの程度ことが動くかは未知だけどね☆彡


なんだか今日は、とってもキリスト教に関わりの大きかった一日でした。

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