Tuesday, July 9, 2013

マラウィに来て一番疲れた日

 
 
今日は、マラウィに来てから一番疲労を感じた日でした。
なぜならば、15キロにも及ぶ上りの道を自転車で頑張ったから。
DAPP(デンマークの援助機関)のボランティア3人組と一緒に彼らの活動先の村に行ってきました。布ナプキンの紹介のためです。

本当に、本当に、しんどかった。。。前日、不安であんまり眠れなかった。
だって、以前総スカンされた活動先には10キロ弱の道のり。私、人生でそれ以上の距離を自転車でこいだこと、なかったんですもの~!!!
 
でも、行って良かった、と心から思います。
普段どんなにしんどい思いで友達が通勤しているかわかったし、辺鄙な場所にこそ、布ナプキンのニーズはあるんだよね。街では、市販のナプキンは買えるし、ナプキン代わりのコットンだって、買えるし。でも村では、全然買えないみたい。
婦女子の皆様、普段腰に巻いてる布、Chitenje(チテンジ)のハギレを膣の中に入れてどうにかしてたり・・・結構苦労されているみたい。
だから、私が現地語&英語で布ナプキンの利点を説明したら、皆さん大変興味を示してくれました。うれしかった~!(((o(*゚▽゚*)o)))
 
任期が残り半年を切り、生活に慣れて時間の使い方がダルダルになっていましたが、最近、なぜ自分がここ、世界最貧国のひとつ、マラウィにいるのか、を考えるようになりました。
日常の面倒くささでつい忘れがちになるけど(実は、とってもマズイ、この鈍感力は)、現地の方の生活を向上させるため、だよね。
自分の中で再認識を図りました。ら、自然と生活でしなければならないことの優先順位がクリアになった~!
要は、前よりも精力的に活動を頑張ろうってこと。
 
本当は、村までの15キロという距離、我が任地の標高1680メートル、という二つの要因を考え、ちょっと自堕落に生きてきた自分には無理じゃないか、と諦めそうになりました。
が、自分がここに来た目的&Missionに立ち返りました。
グループを訪問して得られる村人への利益・自分の経験値と、チャリンコをこぐだるさ、を天秤にかけた結果、勇気を出して訪問することにしました(笑)
 
 
にしても、しんどかった~。心臓破りでした、マジで。
途中、自分が給料ももらわず、なぜそこまで大変な思いをして人のために働いてるんだろう、と一瞬考えました。
ま~、やっぱり、こういう人助けの仕事、好きだからなんだけど。うふ。
 
途中の坂では何度も自転車を引きながら歩いて登りました。
「焦らなくていいんだよ~」優しく声をかけてくれた友人に本当に感謝。
あの場で、「おせ~よ」という雰囲気が少しでも流れたら、私の心は萎えて、マジで泣いてたか、踵を返して家に帰ってたと思います。
 
自分が日本に帰って社会人として職場に復帰したら、辛そうにしている同僚には絶対冷たい言葉をかけないぞ、と誓いました。
 
国際援助というフィールドにOLから戻ってきてから、こっちの世界では、ものすごく思いやり精神に溢れる人が多いです。人のために身を粉にして働く、というミッションだから、自然とそう言う人が集まってくるのだけど。そういう人と仲良くなれることで、とても勉強になります。
私、もともと、ものすごく自己中心的な人間だから、学びがとても多い。
 
上の写真は、大体中間地点で小休憩をして撮ったもの。
もうね~、汗が額から滴り落ちて、日焼け止めと混ざって目に入って、とてもしみるのよ・・・。
週に4回この距離を通っている彼らを私は尊敬します、マジで。
 
てかね~、田舎の地域に行くときに感じることがある。
どんなに辺鄙な場所でも、学校がある。
「Middle of nowhere」ってな場所にも道があって、生活の場所がある。
人間って・・・なんか、すごいね。
ほんと、漠然とした言葉しか出てこない自分が悲しいとこだけど。
 
さてさて、村に到着しました。
私が担当するのは、成年識字教育のクラスの女性たち。
男性の生徒さんも少数いるのだけど、彼らには男性の先生と一緒に、布ナプキンの話をする時には退出してもらいました。
マラウィでは、日本以上に、生理に関する話を男性の前でするのは、タブーなのです。だから、私が男性の前で女性たちにナプキンの話をしたら、全然本音の感想が出てきません。

クラスは2時に始まる予定ですが、先生と私たち以外、時間通りに来る人はいません。
1時間くらいたって、総勢7名の女性が集まりました。「奇跡的に多い数」とのこと。
上の写真のように、しっぽり授業が進むのです。

この日は簡単な挨拶。
こんにちは、名前は何ですか?出身はどちらですか?何歳ですか?
などなど。首都は大都市を除けば、このような簡単な会話すらできない人がゴロゴロいるのがマラウィです。
2006-2007年に滞在していたカメルーン(私がいたのは、国民の20%である英語圏でした)とは対照的。当時、英語ができない人にはほとんど遭遇しませんでした。一度働いていた農場でひとりの女性にあったけれど、正直そのとき「英語がしゃべれないでどうするんだろう・・・」驚いたものです。
でも、マラウィではそれが普通。

この差は、一体何の理由があってのことなのか。実は、これしばらく私の中の大テーマでした。
でも、奇跡的に、本日同行した3人の前任者の家に遊びに行った時に、DAPPのカメルーン人のスタッフと合うことができました。しかも、彼も英語圏20%の出身でした。
このタイミングを逃してはいけない!!!!と私は、彼にこの差はなぜ生まれるのか、聞いてみました。

どうやら、教育制度に問題があるようです。
カメルーンでは、小さいうちから英語教育が始まります。私がお世話になっていたおうちでは、5歳の女の子ですら、私が話している英語を理解できました。
街を歩いていても、私が触れたほぼ全ての人が、流暢に英語を話していました。
どっこい、ここ、マラウィ。我が任地Mzimbaは、一応県庁所在地ですが、道で野菜を売ってるおばちゃんたち(要は私が普段町で目にする人)は、「How are u? I am fine」くらいしか話せません。
マラウィは学童年齢がある程度進まないと、英語を学ぶシステムではないから、英語を学ぶ段階の前で、お金の問題や、教育への親御さんの意識の低さで学校に通えなくなる生徒がとても多いのです。

これが唯一の理由ではないけど、大きな理由ではあると思います。

マラウィという小さな国では、現地語だけ話せても、現金所得に結びつく仕事に就くことは絶対できません。だから、識字教育(特に英語)は、重要なのです。



 
さてさて、2時半から3時半まで識字教育が行われている間に、他の二人の活動を外のグラウンドに見に行きました。小学校のグラウンドで、情操教育の一環として球技を教えているみたいです。
小学校の先生が通訳になって、手とり足取り教えます。
 
私たちが訪問したこの村、街から10キロ以上も離れているのに、英語を話す先生がいます。
英語ができる人に会うと、正直ほんとにほっとしてしまうんです。
なんか、教育って、人間の根底にあるものなんだなって、つくづく思う。

さてさて、3時半を回ったところで、15分ほどお時間を頂き、布ナプキンを紹介なり~♫
事前準備として、布ナプキンの利点、材料、紹介する理由、必要事項の全てをカウンターパートのNさんに現地語に直してもらいました。
それをフリップチャート(でっかい紙)に、出発前の15分前、要点をかいつまんで、殴り書き(あ、急いで書いたって意味ね。)。本番に臨みました(ここでも、いやなことをあとに回してしまう癖が出た・・・)。


ちなみに、本日話した内容は以下の通り
1.布ナプキンの利点
まずもって、快適だし。
洗って使えるから、ナプキンやコットンのお金かからないし、体を清潔に保てるし。
作ってうれば、お金も稼げるし

2.材料
古いチテンジ、古いシャツ、ズボン、など吸水性のあるコットンならなんでもいい。
タオル生地(血を吸うため)、ボタン、針、糸、以上。

3.紹介する理由
上記の衛生面に加え、11月頃から発生するとされる、飢餓対策のため。
今年は雨がとても少なく、トウモロコシの収穫が場所によってとても少なかったことを以前このブログで取り上げました。
飢餓が起こると、自分の家で取れたぶんのメイズがなくなり、どこかから買わないといけません。だから、現金が必要になる。村にいる女性たちは特に、自給自足に近い生活を送っているので、現金所得がとても貴重になるのです。

こ~んな感じ、へへ。
材料はこちらで用意するのですが、参加者にもなるべく持ってきてもらうようお願いをしました。
Self reliance万歳でしょ~。モノとお金を上げるのが私の任務ではない。
スキルを伝えるのが私の任務ですから。


うれしいことに、皆さんすごく興味を示したくれたので、来週の月曜日から布ナプキン講座を行うことになりました。
なぜ私が布ナプキンをメインの活動にしたかというと、私自身、経血がジュワっと漏れる感覚がとっても不快で耐えられないから。本当にこの感覚が嫌だから。
日本の高性能の生理用品でさえイライラする私。布のハギレをいれただけのマラウィの生理事情のイライラ度はいかほどのものか、っていう点で、とっても同調できるんだよね~。



さてさて、そんなこんなで4時になり、1時間かけて皆で街に戻りました。
行きが登りな分、帰りの下りが楽・・・だったはずなんだけど、急勾配&坂の長さゆえ、これはこれで、ちょっとしんどかった。
スピードが出過ぎて転びそうになるし、スピードのコントロールが難しいし。
行きよりは楽でしたが、これはこれで疲れました。

道の途中でDAPPの3人と別れたあとは、一気に気がゆるみました。
いつも通勤で使ってる道なのに、ペダルの重さが3割増で、ものすごくチンタラチンタラこいで家まで帰宅しました。

脳の機能が数分の1に下がった今、ぼやっと思うこと。
今後の未来にどうつながっているのかわからないけど、私、人に出逢う運にとても恵まれたな、と。
このタイミングで今の任地にいなければ、DAPPのボランティアのプロジェクトが始まるタイミングとは合わなかったし、Peace Corp(アメリカのボランティア)だって、しば~らく我が任地に入り込んでいなかったらしいし。
DAPPの人たちと出会わなければ、ブラジルではリオじゃなくてもどこでもサンバをやるんだとか、ペロポネソスはギリシャの南部にあるんだとか、スロベニアはユーゴスラビアの一部だったとか、わからなかったよな~(笑)
彼らと一緒に活動出来ること、本当にプライスレスです。
惰性で日本にいたら、こんな世界各国の人達と出逢うことなんてなかったものなぁ。
不思議なくらい素敵な出会いに恵まれてるので、何か、良い形で未来につながることを信じています。


ところで、今週は同じMzimba県内にあるEmfeniという町に3日間滞在し、布ナプキン講座をします。協力隊の同期が住んでいる村です。ご招待されちゃいました♡
その後、難民キャンプに訪問したり、やることずくめですが、今は疲れきって、何も1週間の旅行の準備ができません。

ただ、自分のテンションを上げるために、足と手の爪を、日本でおばあちゃんに買ってもらったマニキュアを塗りました。
今日は本当に疲れた・・
おやすみなさい。

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