Saturday, February 25, 2012

読み書きができないってこと

Mzimbaに本赴任して8日が過ぎました。家主さんの離れに一人暮らししてます。
2LDKで、お風呂とトイレが家の中に付いているという恵まれた環境のおうちです。
向かって右は、私の寝室ですが、なんてこった!化粧品とかの小さいものを整理しきれず目に見えるとこに置いちゃうとこや、布団カバーの色合いの雰囲気とか、歴代の私の部屋と変わらない雰囲気を醸し始めている・・・!!部屋って為人を表すものなのですなぁ!!
隣には家主夫妻と、甥っ子26歳、親戚の11歳の女の子が住んでいます。前任者が12月上旬まで住んでたので、家のことでわからないことがあったら手馴れた感じで迅速に対応してくれます。
どうやら家主のママは、近所でも信頼と権力を持っている方みたい。教会のメンバーで作ったグループで、エイズ患者を助ける活動や、副収入のために池で魚の養殖したりと、色々がんばってるみたいです。性格
は、めっちゃくちゃ面倒見がいい&信仰が篤い。人の面倒を見てその人のお祈りをすることが年寄りとしての私の義務、みたいなことを言ってた。
先日具合が悪いって愚痴をこぼしたら、聖書の一説を挙げて、励ましてくれました。そして、今日の夕方は、お友達を連れてきて早く良くなるようにと彼女にお祈りしてもらいました。キリスト教を信じるにか信じないかはともかく、あったかさが満点の隣人さんです。
ほぼ毎日野菜やらふかし芋やらをくれます。お返しで先日、同期のまさみちゃんから教えてもらった手羽先のコーラ煮をおすそ分けしたら、お口にあったようで喜んでくれてとてもうれしかったなぁ♫
そんな信頼出来るママから、夜間の警備員を紹介してもらいました(JICAの強い勧めで皆さん雇っています)。この辺に住む、2人の子持ち、Steveくん28歳です。真面目そうな人なので、早速雇用契約を結びました。フォーマットは英語のものをJICAからいただいているので、あとは契約書の内容を一緒に確認してから名前、日にちなどを書き込み、サインをもらうのみ。
マラウィでは就学率が低く、英語が殆ど話せない人がざらにいます。Steveくんもごく簡単な英語しか話さないので、家主のママが契約書の細かいところまで逐一翻訳して説明してくれました。
よっしゃ!いざ、サインするぞってペンを渡したら・・・
ペンを持つSteveくんの手がプルプル震えてた。
学校に行けなかったから、自分の名前が書けないんだって。
いや、理屈としてはよくわかるんだけど・・・実際、家主のママに見本で書いてもらった自分の名前のアルファベットを慎重にゆっくり書き移す姿が私には衝撃だった。
きっとこれまでカメルーンにいたときを含めたら、読み書きの出来ない人には何人か会ってきたとは思うのだけど、まさに、ミミズが這ったような小文字のbなんだか大文字のDなんだかよくわからない形のアルファベットに軽い驚きを覚えた。

学校に行けなかったのは社会や家庭の事情があるから仕方ないけど、契約を結ぶ際にあたって、字の読み書きが出来ないのは相当まずいっしょ~。だってさー、契約書にもし自分の不利になる理不尽なことが書いてあったとしても全然気づかないってことでしょ?例えば、法律で決められている最低賃金以下の給与だぞって無茶苦茶に書かれてたって、なんのことかわからず違法な悪条件を飲むしかないってことでしょ??
いざ自分が雇用者として契約を結ぶ立場になってみたら、私はこの人の弱みにつけこんで、酷使することだって出来るんだって思ってちょっと背中に冷や汗をかいた。それだけ読み書きが出来ないって不利な立場に立たされるってことなんだなぁ。

よく識字教育大切って言われているけど、ようやく意図するところが分かった気がします。



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