私の配属先、県庁のコミュニティ開発局では、今年3月から、成年識字教育のプログラムを担当することになりました。数年前まで、コミュニティ開発局で行われていたものが教育省の管轄になり、再度こちらに戻ってきました。
同僚いわく、「うちらがやってた頃の方が、パフォーマンスがよかったから、戻ってきたんだよ!」とのこと。真実を見つけるのがいつだって難しいマラウィですから、真偽のほどは定かではありませんが(笑)
すでに、教師を選考する面接があり、彼らを1週間の研修で「ザ・即席語学教師」に仕立て上げ、教科書を配布、という一連の準備の流れが終わりました。
しばらく前から、先生たちは、近隣の小学校で授業を始めました。私の仕事は、同僚とクラスを回って先生たちの抱える問題を共同して解決することです。でも、同僚がいろんな事情で最近飛び回ってるので、私はナプキンつくりをしながら、クラス訪問の機を伺っていたのです。
私の職場から歩いていける小学校で教えているAくん。同僚がいけなくても私一人で手始めにそこから行ってみようと思い、何でも電話をしてみようと試みるんだけど、携帯が壊れているらしく、全然連絡がつかず、イライラ・・・。手持ちぶさたな日々を送っていました。
そしてようやく、一昨日の木曜日に職場に行くと、幸運にもAくんが私のオフィスに遊びに来ていたのです。早速、その日の午後のクラスに同席させてもらうことになりました。彼、はりきっているらしく、「1時半にオフィスに迎えに来たあと2時からのクラスに一緒に行くんだから、遅れちゃダメだぞ!」っと私に念を押すくらいノリノリでした。
全ては1時半の待ち合わせのため、と用事を早々と切り上げ、オフィスに戻るも、案の定Aくんの姿は見えない。マラウィだとよくあることと思って待ち続けるも、なんだかむかついてきた。
自分からクラスに誘っておいてドタキャンするだなんて、失礼にも程がある。
そして、私(村落開発普及員という意味で)のこと、いらなくなったんだべか。
オフィスにいる同僚に「もうちょっと待ってみなさいよ」と言われ、1時間イライラ待ってたら、ついにAくんが登場。
「ごっめ~ん!君のこと忘れちゃってた!はは!学校に向かって歩いてる道で、やばい!って気づいて戻ってきたんだよ!」だって。
なんだか、アホ臭くて、腰の力が抜けました。
怒っても仕方がないので、「今度からこのような無礼極まり行為はしないでください」と伝え、二人で学校に向かいました。
道中で、Aくんの経歴を聞きました。
23歳。高校をでたあと、短大で、エイズの検査とカウンセリングを学んだとのこと。
某日本の団体で働いていましたが、金銭面で不正を犯し、クビになったと同じ任地に住む同期から聞いています。頭と人当たりはイイけど、ずる賢いタイプなのかもしれない。し記事教育のお仕事は一緒に頑張るけど、お金の話はくれぐれもしないように、適度な距離感をはかろうと思っています。
学校は、私のオフィスから1.5キロほどの小学校。ここに大人が集まって、月曜日から木曜日の2時から3時半まで授業を行います。私が行った時には6人の女性が。20代の方もいれば、60代と思しきおばあちゃんもいます。本当はもっと学生がいるはずだけれど、Aくん曰く「ほかのメンバーはトウモロコシを探しに出かけたから、出席率が低い」とのこと。トウモロコシ不作の影響、ここにも出てますね。
授業の内容について。
教科書の一章、人や職業の名前、についてやってました。
例えば・・・
1.家族~お父さん、お母さん、姉妹兄弟、赤ちゃん
2.街で見かける人~警察官、農業を営む人、教師、など。
これらの絵と英単語が教科書に書かれています。
学生は、すでに現地語の読み書きが出来るのはずなのですが、警察官を指差して、「Farmer!」と読み上げる人もいます。・・・何故?!!!
見てて面白かったのが、日本と同じで、生徒によって、やる気や能力が違うこと。
質問に積極的に答える若い20代の女性もいれば、
「あたしゃ目が悪くて黒板の板書がとれないのよ」とジェスチャーで問題を訴えるおばあちゃんがいたり。
見てて、ウププって笑えた。
この日の授業が無事に終わり、Aくんに今の時点で抱えている問題を聞くと、「まだ始まったばかりだから大丈夫」とのこと。しばらく週一回くらいの割合でこのクラスを訪問して、様子を見てみようと思います。
その間、私からできることを彼に提案してみました。
毎回学ぶテーマに沿って、紙芝居的に私が絵を書いて、英語で説明する。それをAくんが現地語に通訳をするってこと。
例えば、1章(人の名前や職業)については・・・
私の家族の絵を描く。
「これが父です。歯科医師をしていました。生きていれば、54歳です。たまに海で釣りをしていました」とか、説明を付ける。
そして、3章(食べ物)については・・・
稲作や、焼き魚、お箸とお椀の絵を書いて日本食文化の説明をする。
・・・とかね!
とりあえず、AくんからOKをもらったので、試してみます。
今後の展開が楽しみな、識字教育です☆
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