週末が終わった後の月曜日。毎朝アジア学院では朝食後にMorning gatheringが行われた。聖書の一節を読み、その日のプレゼンテーション担当者がお話をしてくれるという時間。この日は週明けというのもあり、Staffの一人がみんなに新しいニュースや学び、それに纏わる連絡事項があったかを聞いた。一通り言いたい人が言いたいことを言った後、Staffの彼は私の隣に座る女性にも指名をした。
彼女はリベリアからきたMama。西アフリカに位置しており、15年間も内戦があった国である。2007年3月に人から聞いた話では、様々な国の軍隊が介入したことにより、寿司バーがあり、皮肉にもアフリカ一おいしいお寿司が食べられる国だという。
「何か新しことやうれしいことはあった?ママ!」の問いに、
ママは、カメみたいにずんぐりむっくりな見た目と牝牛のようなどんよりとした話しぶりで・・・
「Yes, I am still alive.」と答えた。
私は腕に鳥肌がゾゾっと立ち、身震いを感じた。15年間も国の中で人が殺しあっていた中、生きていく大変さは私の想像を絶するものだろう。親戚や友人が亡くなる中、彼女自身生き抜くための道を血反吐を吐く思いで模索し、切り開いてきたに違いない。だからこそ、一見無愛想で表情のなく動作の鈍いママの一挙一動には重みがある。これまでの”生”を求めて、人間の必死さのエキスがずっしり詰まっているのだ。
すると、その場にいる30名の研修生をこれまでと違う角度で見ている自分がいた。アウンサンスーチーがずっと軟禁されていたミャンマー、知人が取材した村ではそこに住む住民皆が全員HIV陽性だったというジンバブエ、ダイヤモンドの採掘で子供がぼろきれのように酷使され捨てられるシエラレオネ。
暗い一面を持った国から来た学生たちが、アジア学院という人権が守られる場所で身の危険を感じずに毎日を勉学に費やせる。同じ目標を持つ仲間と、彼らが一番に求める神の存在とより近い精神距離で毎日を過ごすことができる。
なんと尊いことだろうか。月並みな言葉しか見つからず悔しい限りだが、心から胸がジーンとしてしまった。
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