Friday, January 20, 2012

気持ちの揺れ動き

2012年1月19日

今日でマラウィについて一週間。一昨日の朝から下痢が止まらない。
体内に何か入れるとその分の水分が流れだし、当然のことながら食べ物はちゃんと消化されていない。
水分が流れ出さなかったとしても、雑巾を絞る感じの痛みがシュクシュクとする。基本的に頭痛と意識のどんよりとした感じで、顔色も白い。
・・・が、熱がでていないのが唯一の救いか。5年前にカメルーンにいったときと全く同じ状況なので、そんなに心配はしていない。あと1週間くらいこれが続けば、体が慣れて割と平気になると信じてます。

首都に来てからは、同期の隊員12名と首都Lilongweで研修を一ヶ月受けています。現地の政治、経済、文化、ジェンダー、HIVなどに加え、現地語を叩き込まれ、それぞれ任地に飛ばされます。

今はCrescent Lodgeというドミトリーみたいなところで、自炊しながら共同生活をしてます。研修を受けるJICAオフィスからは40分くらいの距離です。隊員の職場は、私を含めた村落開発普及員が一番多く、他は理数科教師、エイズ対策、野菜栽培、など様々です。

今日は、セキュリティ担当のJ氏と一緒にJICAのワゴンで繁華街を探索。繁華街のOld Townは、JICAオフィスがあるCity Centerとは違って、Upper Classだけでなく、色々な階層の人が出入りしてます。
この近辺には大きな市場があって、野菜、衣類、電化製品、テーラーなど、生活に必要なものはここで用が足ります。また、地方に出る時に乗る長距離バス乗り場もあります。

実は、一昨日この地区でちょっと事件がありました。
警察ともめていた市場の露天商の怒りが爆発し,デモが起こりました。まぁ、それだけならなるほどって感じだけど、全然違う方向に話はそれていったのです。
ことの経緯について。あくまで噂ですが、お隣のタンザニアの大統領が「女は伝統的なロングスカートはくべきだ」と言って、マラウィの大統領もそれに同調する発言をしたらしい。それで、ブチギレた露天商たちが、道をたまたま歩いていたミニスカートとズボンを履いていた女性数名を引きずり出し、公衆の面前で脱がしちゃったらしい。この、噂をもとに起こっっちゃったという
情報は、JICAから聞いたので、ある程度根拠がある情報みたい。

もともとマラウィでは女性が下半身のラインを出すのをよく思われないので、女性はチテンジという布をロングスカートの用に巻いて歩いています。女性がミニスカートやズボンを履くのを許されたのは割と最近という、ちょっと古風な側面を持っています。

今回のデマは、もともとマラウィの経済のガタガタ加減に原因があるだろうに、気がついたら全然違うところに怒りの矛先が向いていました。
というわけで、ここ数日、私たち女性の隊員は、JICAから頂いたチテンジを巻いて外出していたのです。もちろんゴミゴミして治安が悪いOld Townでも例に漏れず。
一旦ミニバスを降り立つと、私たち隊員は目立ちまくりです。色が白いからただでさえ目立つのに、9人の女性隊員がJICAとデカデカと書かれたピンクの派手なチテンジをお揃いで巻いていたので、みんなの目を引くのは当たり前。
今回の事件があって皆がSensitiveになっていることもあり、私たちを見るや、群衆が集まってきて、ヒューヒュー口笛を鳴らしたり、チテンジ似合ってるぞ!と大声で声をかけてくれたり、はたまた子供には中指を立てられたり。市場にいるみんなの注目を集めまくりました。100名以上の人々が私たちの周りでギャーギャー喜んで騒いでいました。例えるなら、パレードに群がる人々って感じです。やはり、外国人が自国の誇りであるチテンジを着ていたっていうのが今の自説的にホットだったんだと思う。


みんなの騒ぎが大きすぎて、私たち隊員は怖々でしたが、雰囲気を悪くしないようにニコニコ市場を歩くことしかできなかった。


今回の事件で正直、上記のように全然確かじゃない噂レベルのことでも人は僅かな感情の高まりをきっかけに、爆発してしまうんだなって感じた。


女性の身ぐるみを剥がしたっていう怖い振れ幅と、チテンジをみたときの熱狂ぶりの振れ幅。


私がマラウィ人だったら、やっぱりあの時のみんなと同じように盛り上がったのだろうか。





※今回の記事は、‘人‘の特性について述べたもので、マラウィ人の誹謗・中傷ではありません。



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